小説:小保方さんが感想文の題材本 販売急増
毎日新聞 2014年02月21日 16時08分(最終更新 02月21日 16時58分)
万能細胞「STAP細胞」の作製で「時の人」となった理化学研究所の小保方晴子さんが中学時代、読書感想文の題材とした小説「ちいさなちいさな王様」が関心を集めている。インターネット通販大手「アマゾン」の書籍部門で販売数が一時トップになり、発行元の講談社は4万部を増刷。千葉県内でも平積みする書店も出てきている。
松戸市出身の小保方さんは同市立第六中学2年の時、同書を読んだ感想文を毎日新聞社などが主催する青少年読書感想文千葉県コンクールに応募し、最優秀賞に当たる教育長賞を受賞した。今回の研究成果が1月30日付の科学誌に掲載された後、同コン受賞も本人の多才ぶりを示すエピソードとして各メディアで紹介された。
ドイツの作家アクセル・ハッケによる同書は、年齢を重ねるにつれ小さくなっていく王様と「僕」が命の始まりなどをテーマに哲学的な対話をする内容で、平易な訳文で描かれている。1996年に刊行されたが、アマゾンなどでの反響を受けて、講談社も今月上旬に急きょ4万部の増刷を決定した。今月下旬には電子書籍も配信するという。
増刷された本には「小保方晴子さんが中2のとき読んで感銘を受けた本」との帯が付けられている。講談社の担当者は「小保方さんの深い読み方には感激している。中学生向けの本だが、これを機にいろんな方に読んでもらいたい」と話している。【田中裕之】