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22 Feb 2014 02:28

ノバルティスファーマ:学会発表も会社関与? 資料に社名

毎日新聞 2014年02月08日 02時30分

 製薬会社ノバルティスファーマの社員が自社の白血病治療薬の臨床試験に関与していた問題で、昨年10月の学会発表のために作られた関連資料の電子ファイルの作成者情報に「Novartis」(ノバルティス)の表記が残っていることが分かった。社員が学会発表の準備を手伝ったとみられる。ノ社は発表内容を今年1月まで薬の宣伝に使っていた。

 試験は2012年5月、患者へのアンケートで白血病治療薬の副作用を調べようと始められた。研究チームは昨年10月にあった日本血液学会で中間結果を発表した。

 複数の試験関係者が今年、学会発表用の抄録案の電子ファイルを調べたところ、作成者情報に「Novartis」の表記があった。また、抄録案と発表スライド案の「最終更新者」の欄には共同研究者にはいない人物の名前があった。いずれも研究チーム内で共有された資料だった。

 この他にも、試験で使う複数の書類の電子ファイルの作成者情報の中にノ社の表記があったことが判明している。しかし、研究チームは、発表時のスライドで「利益相反はありません」と明記し、ノ社から支援されていないと表明していた。

 社員の学会発表への関与について、ノ社は「現在のところ確認できていない」。臨床試験の責任者である黒川峰夫教授が所属する東京大病院も「調査中」としている。

 ノ社は昨年7月、バルサルタンの臨床試験疑惑への批判から「研究者が実施すべき業務に社員は関与しない」との再発防止策を公表していた。だが、白血病治療薬の臨床試験で本来は医師間で行うべき患者データの受け渡しを社員が代行したことが判明した。【八田浩輔、河内敏康】

 ◇関係開示しないできた医師側責任も重い

 医師が企画した体裁となっている白血病治療薬の臨床試験にもかかわらず、ノバルティスファーマが裏で「お膳立て」していた疑いが浮上した。臨床試験への信頼性をさらに失わせかねない事態だ。

 今回の試験についてノ社関係者は「同社の白血病治療薬イマチニブ(商品名グリベック)の特許切れ対策の側面があった」と指摘する。試験は、イマチニブの服用患者が自社の新薬に切り替えた場合の副作用の変化を調べる。新薬に副作用が小さいと強調できれば、安価な他社のジェネリック(後発医薬品)や競合品との販売競争を優位に進められる。学会発表された「中間報告」をすぐに宣伝に使用したことからもノ社の姿勢が透ける。

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