世界中を驚かせた新たな万能細胞「STAP細胞」。理化学研究所(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーが成し遂げた画期的な研究の裏には、山梨大の若山照彦教授の大きな貢献があった。細胞生物学の「常識」を覆す成果に、若山教授は「あり得ないことが目の前で起きた」と振り返った。

 若山さんは、世界で初めて体細胞クローンマウスを誕生させた研究者として知られる。小保方さんの研究の成功に欠かせない特殊なマウスをつくる世界トップレベルの技術を持つ。2012年に山梨大の教授に就任した。

 理研で研究していた10年7月、小保方さんから「細胞が生まれ変わる」というアイデアを聞き、協力を依頼された。あまりにも常識外れの話で「時間の無駄に終わるだろう」と思ったという。案の定、何度も失敗したが、小保方さんは実験条件を変えてつくった新たな細胞を次々に持ってきて、マウスで試した。「他の研究者なら無理だとあきらめてしまうほど失敗を繰り返したが、小保方さんはあきらめなかった」