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30 Oct 2012 02:55

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糖尿病検査 “薬局で気軽に”

10月29日 22時20分

藤目琴実記者・牧本真由美記者

日本の成人の5人に1人は、糖尿病の患者や“予備軍”と推計されています。
しかし、初期は自覚症状がなく、自分が糖尿病だと気づいていない人が多いとみられています。
こうしたなか、薬局を訪れた客に無料で糖尿病の簡易検査を行う取り組みが始まっています。
徳島放送局の藤目琴実記者と社会部の牧本真由美記者が解説します。

“ついでに”糖尿病検査

薬局で薬を買うついでに。
処方薬を受け取るちょっとした待ち時間に。
薬局で血液の簡易検査を行うというこの取り組み、茨城県の筑波大学と徳島文理大学の研究グループが共同研究の一環として、29日から試験的に始めました。

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糖尿病による死亡率が全国で最も高い徳島県の10の薬局で行われています。
徳島市内の薬局では、薬剤師が訪れた客にさっそく検査を呼びかけていました。
客は専用の器具を使って自分の指に細い針を刺し、わずかな量の血液を採ります。
痛みはほとんどありません。
薬剤師は検査機器で糖尿病の指標となる「ヘモグロビンA1c」の値を測定してくれます。

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結果が出るまでの時間はわずか6分。
検査を受けた60代の女性客は結果の紙を見て少しショックだった様子でした。
数値は正常な範囲を超え「糖尿病が強く疑われる」レベルだったのです。
薬剤師は専門の医療機関のリストを示して受診を勧めていました。
女性は「以前から糖尿病が気になっていたのですが、なかなか病院に行けなかったので、分かってよかったです。これを機に病院でしっかり診てもらおうと思います」と話していました。

糖尿病は早期発見が鍵

厚生労働省の推計では、糖尿病が強く疑われる人は全国でおよそ890万人。
“予備軍”とされる人を含めるとおよそ2200万人。実に成人の5人に1人と推計されています。
悪化すると失明したり、人工透析が欠かせなくなったり、さらに死に至ることもある病気です。
しかし、初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどないため、糖尿病だと気づかないまま悪化してしまう人が多く、早期発見が重要なのです。

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すでに効果が出た人も

薬局での簡易検査の取り組みは、筑波大学の研究グループが2年前から東京・足立区でも行っています。
中には、この検査がきっかけで糖尿病に気づき、悪化を防ぐことができた人もいます。
足立区に住む井上勝利さん(68)は、去年9月、近所の薬局で検査を勧められ、軽い気持ちで受けたところ、高い数値が出ました。
すぐに病院へ行き糖尿病と診断されました。

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薬を服用しながら医師の指示で食事を見直し、運動も心がけた結果数値は大きく改善しました。
井上さんは「自分が糖尿病だとは考えたこともなく、驚きました。手遅れにならなくてよかったです。だいぶよくなっているので、引き続き頑張ります」と話していました。
研究グループによりますと、足立区では、これまでに1000人ほどが検査を受け、このうち、およそ280人が糖尿病か、その疑いがあることが分かりました。
その4割ほどの人は定期的な健康診断を受けていなかったということです。

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薬局での簡易検査を行っているのは、今のところ、徳島県と足立区だけですが、糖尿病の検査は各地の医療機関で受けることができます。
筑波大学の矢作直也准教授は「糖尿病は早期に発見して治療につなげれば重症化を防ぐことができる。取り組みを通じて糖尿病になる人を一人でも減らしていきたい」と話しています。

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11月14日は国連が定める「世界糖尿病デー」です。
糖尿病が気になっている方も、自分は関係ないと思っている方も、一度、検査をしてみてはいかがでしょうか。