大リーグだけじゃなく、サッカーのワールドカップも狙える――。理化学研究所の小保方晴子さん(30)らが作製したSTAP(刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得)細胞について、2012年にノーベル医学生理学賞を受けた京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授(51)が10日、京都市内で記者会見を開き、賛辞を贈った。

 同じ万能細胞のiPS(人工多能性幹)細胞を先駆けて作製した山中さんは京大でもSTAP細胞をつくる意向を示し、「小保方さんにノウハウを教えていただきたい」と述べた。

 山中さんは今回の成果について「若い日本の研究者からの発信で、本当に誇りに思う」と評価。「iPS細胞と同じ仕組みでできているのかもしれない。研究者として非常にワクワクする」と話した。iPS細胞で培った経験を理研に提供するなど、最大限協力して研究を進め、「ぜひ一緒に頑張っていきたい」という。

 また、STAP細胞は、体内で臓器を再生するなどiPS細胞には難しいことができる可能性があると指摘。「iPSにとっては大リーグがゴールだが、STAPはもっとほかの可能性があると思う。必ずしも大リーグを目指すのではなく、サッカーでワールドカップも狙える」と例えた。

 その一方で「iPS細胞がSTAP細胞に比べてがんになりやすいといった誤解が広まり、心を痛めている」と語った。iPS細胞は発見から8年でつくり方も変わり、安全性が大きく高まり、人間への臨床試験が可能な一歩手前まできていることを説明。その上でSTAP細胞の安全性評価については「まだこれから」とも指摘した。(鍛治信太郎、野中良祐)