無職 西井廉剛(大阪府 62)

 人間の細胞も、ストレスがかかると何とかして生き延びようとするメカニズムが働くのであろうか。生命の神秘を開く画期的な成果だ。理化学研究所などが、新しい「万能細胞」の作製に成功した。マウスの体の細胞を、弱酸性の液体で刺激するだけで初期化が起き、どんな細胞にもなれる万能細胞に変わる。このSTAP(スタップ)細胞はiPS細胞よりも簡単に作れて、遺伝子を傷つけにくいため、がん化の恐れも少ないという。

 正常な細胞が、ストレスでがん細胞に変わる仕組みを解き明かすことでがん化を抑制する技術開発など、医学研究活用に夢が膨らむ。切断した指が再び生えてくるような再生医療への応用も可能かもしれない。ただ、成功したのは生後1週間の若いマウスの細胞だけ。課題山積だが、実験データを信じて真実に近づく若き研究者に期待したい。企業で安全管理に長年携わった私は、安全な技術の確立を願ってやまない。