Share...
13 Aug 2013 05:50
 

TOSSランド

コンテンツ登録数
(2013/08/13 現在)

13615
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSアプリランド デジタル・トークライン TOSS-SNS
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ

TOSSランドNo: 2600085

理念づくり マネージメントの原則


1.マネージメントの必要性

 理念づくりの第二番目の原則はマネージメントである。小山正彦・石渡明著『船井流経営計画の立て方』(実業之日本社)には、マネージメントについて次のように説明してある。

経営の目的であるマーケティング目標を達成するために手段としての経営資源を効果的・効率的に使う。

 マーケティング目標は学校の場合、教育目標である。教育目標を達成するために経営資源を効果的・効率的に使う。
 経営資源とは、ヒト・モノ・カネ・情報・信用等であると述べている。学校で言えば、子供・教師・保護者・地域・施設・設備・予算・情報等である。

 学校教育目標を達成するために、子供・教師・保護者・地域・施設・設備・予算・情報等を効果的・効率的に使うのがマネージメントである。

 今までの学校づくりでは、マネージメントという発想が少なかった。教育目標を達成するために校務分掌を決め、具現化を目指す体勢はとられてきた。
 しかし、どのように経営資源を活用するかについての方法については踏み込んで検討されてこなかった。『船井流経営計画の立て方』の中で計画化について述べられている。

Management

 以上の考え方をそのまま教育に当てはめることはできないが、参考にはできる。具体的なマネージメントの段階を考えた。

 第一段階 経営理念づくり
 第二段階 中・長期ビジョンづくり
 第三段階 中・長期経営計画づくり
 第四段階 年度別(単年度)経営計画づくり

2.経営理念づくり

 具体的なマネージメントの段階を検討する。一番大切なのは経営理念づくりである。どんな学校を作るのか、どんな子供を育てるのかの理念がなければ学校づくりはできない。
 私の参観しした学校の教育目標と教育理念は次のようであった。明確な主張で分かりやすいので紹介する。

【学校の教育目標】
 豊かな心を持ち、たくましく生きる子供の育成
 夢いっぱい キラキラ輝く ○○っ子

【目指す子供像】
 感じてキラキラ(思いやりのある子供)
 動いてウキウキ(健康な子供)
 学んでドキドキ(進んで学ぶ子供)
 みんな仲良し○○っ子

【目指す教育観】
 1.心の教育
 2.芸術教育
 3.健康教育
 4.創造教育

 目指す教育観について、私なりに考えてみた。この教育観を明確にすることが経営理念づくりである。

3.心の教育

 現在の学校教育に一番欠けているのは、心の教育である。
 何が真実で何が大切なのかの基準が明確に指導されてない。
 人間として絶対に行ってはならない行為とは何か、どのように生きていったらよいのかの基準を明確に押さえた指導が大切である。
 小学生に直接心の教育を説いても無理である。小学生には、間接的な指導が望ましい。
 心を育てる方法として、小学生には感性をみがいていくことが重要である。
 年配のプロカメラマンと話す機会があった。
 「どうしたらよい写真が撮れますか」
 「写真は発見です。漫然と見ていては撮れません。洞察力、観察力が必要なのです。そのためにどんな写真が撮りたいのかのイメージを常に持って、潜在意識にまで働きかけていくのです」
 「具体的にどのようにするのですか」
 「私は高校野球の写真を撮る練習をしました。バッターがボールを打つ瞬間を撮るには、ピッチャーがボールを投げた時にシャッターを押すのです。それも右肩が動いた瞬間にシャッターを押すのです。
 ボールを捕る瞬間の場面は、ファインダーを見ません。ですから、予測能力が必要なのです。どうなるかを予測して撮るのです」
 経験に基づいた貴重な話をいろいろ聞くことが出来た。最後に次の質問をした。
 「写真で最も大事なのは何ですか」
 「感性ですね」
 一瞬、「感性とは何か」「どうしたら感性をみがくことができるのか」と考えた。

4.感性をみがく芸術教育

 現在の学校で、感性をみがく教育が行われているだろうか。
 知識・理解や技能面の指導は行われてきた。しかし、感性をみがく教育は重要視されてこなかった。
 いじめや不登校の問題が叫ばれている。それらの問題を解決するには、理屈や論理以前に物事に対する鋭い感性が必要なのである。
 物事の本質を直感的にとらえる能力である。
 いじめをする時に理屈ではなく、感覚で「これはいけないことだ」と感じる心である。
 そのような教育はどのようにしたらよいのだろうか。
 前述のプロカメラマンに、「どうしたら感性をみがくことができるでしょうか」とたずねた。

 「写真を撮る時に一つのテーマを持つのです。例えば、一つの風景を決め何十年も撮るのです。
 あるいは、全国を歩いて黄色の物を撮って歩くのです。長く継続して見ていく中で、物の多面性や本質性が見えてくるのです。
 物の多面性や本質性に触れる中で、感性がみがかれていくのです。物の善し悪しが理屈ではなく体で分かるようになるのです。」

 プロカメラマンは、テーマを持って対象を撮り続け、物の多面性や本質性に触れる中で感性がみがかれると語ってくれた。
 教育も同じである。心を育てるには真・善・美に対する感性をみがくことである。
 真理とは何か、善とは何か、美とは何かという課題を持って教育していくことが大事なのである。
 現在の学校教育ではそういう視点での指導が欠けている。人間として生きていく上で、何が大切なのかを教えていないのである。
 では、どのようにしたら教育の場で感性をみがくことができるだろうか。
 感性をみがくには、本物を見せていくことが一番である。本物を見、本物に接することによって感性がみがかれていく。
 つまり、芸術教育を行っていくのである。本物による感動は、知識や理屈でなく子供の心に入っていく。
 芸術を通して心を育てていく教育のシステムを作っていくのである。
 マラソンのテレビ中継で、瀬古選手の走るのを見たことがある。瀬古選手のフォームは上下の動きがなく、視線が前方の一点を見つめ美しかった。
 美しいということは、無駄がないことであり、合理的な動きをしていることである。
 最小エネルギーで最大の力を発揮している。つまり、動きの原則にのっとっているので、フォームが美しいのである。
 本物を見ていくことは、物を見る基準を作っていくことである。何が真理で何が善で何が美なのかを認識していくことである。
 芸術教育を通して本物に接し、本物を創る教育をしていくのである。

5.新たな生活をつくる創造教育

 次に大事なのは、創造教育である。
 新たな未知の課題にぶつかった時、どのように対処し、どのように新しい価値を創り出していくかである。
 創造するためには、そのベースとなる基礎がなければならない。
 小学校教育の最も大切な使命は、創造するために必要な基礎的・基本的な能力を付けることである。その上で、課題を克服して創造していく能力を付けていくのである。
 そのためには体験活動が効果的である。実際に体験させ、その中から課題を発見し、解決する力をつけていくのである。
 本物に触れていく中で心を育て、課題を解決し新たな価値を創造する教育を通して、不登校やいじめのない学校が出来ていくのである。
 マネージメントの第一段階は教育理念づくりである。目指す学校の教育目標、子供像、教育観を確立することが大切である。
 教育理念が確立できたら、次は中・長期ビジョンづくり、中・長期経営計画づくり、年度別(単年度)経営計画づくりである。
 学校づくりを長期の見通しを持って考えていくことである。具体的には次で述べる。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

New TOSSランド