特定秘密保護法、原発再稼働の動き、子ども・被災者支援法の基本方針などに対し、市民から不安の声が上がった2013年。いずれも国民的議論が熟さぬままに結論が導かれ「巨大与党」の負の側面が浮き彫りになった形だ。県内の関係者は複雑な思いで年越しを迎え、課題解決への模索を続ける。「市民の声」はどう政策に反映されるのか。

 ■世論喚起へ

 「秘密保護法は憲法違反。国民をしばる動きを止めなければ」

 「秘密保護法はいらない! ネットワークとちぎ」の事務局代表木塚孟さん(66)は25日昼、県庁前で淡々と同法廃止を訴えた。

 11月20日以降、毎週水曜に行ってきた街頭アピール。恣意的運用や知る権利制限の余地を残す同法の成立後も、あきらめず続けた。

 「新年からは署名など新たな取り組みを検討し、県民世論を喚起したい」と木塚さんは表情を引き締める。

 ■価値観共有を

 昨年成立した「子ども・被災者支援法」。東京電力福島第1原発事故で放射能被害に苦しむ人たちの思いを尊重し、健康・生活面を支える画期的な法律だ。ところが10月に決定した基本方針で本県は支援が限定的な「準対象地域」とされ、困惑が広がった。

 「那須塩原 放射能から子どもを守る会」の手塚真子さん(44)は「国へ粘り強く要請するしかない」とする一方「知事や県議会が思いを共有してくれたことは心強かった」と振り返る。

 「心のケアより、甲状腺検査を進める方が確実に安心できる。観光地でも、放射線量を測り公開する方が、支持は広がると思う」と話す手塚さん。「測ること。隠さないこと」を大切にしたいといい、地域内外での価値観共有に力を注ぐ。

 ■訴え続ける

 「原発がなくなるまで立ち続ける」

 仕事納めの27日夜、宇都宮市の二荒山神社前。老若男女10人が大通りに面して並ぶ。原発反対のほか、文明を批判する田中正造の言葉など思い思いのメッセージを記したプラカードを掲げ、通行人やバスの乗客らに無言の訴えを続けた。

 参加した弁護士の大木一俊さんは「美しい国土を守り、放射能の恐れのない輝かしい未来が実現するまで続けるよ」。悲壮感はない。

 「サイレントアピール」と呼ばれるこの抗議行動。2011年6月ごろから毎週金曜日の夜、短文投稿サイト「ツイッター」などを通じて自然に人が集うようになった。

 東京・首相官邸周辺のほか、全国各地で頻発する「脱原発」を求める抗議デモ。政府が原発再稼働への動きを強める中、宇都宮や栃木、那須塩原など県内でも街頭アピールが広がり続けている。