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28 Aug 2014 04:48

選挙:札幌市長選 「上田氏引退」で構図動く 民主の対応にも注目 /北海道

毎日新聞 2014年08月28日 地方版

 任期満了に伴う来春の札幌市長選に向けた構図が一気に動いた。進退を明らかにしてこなかった現職の上田文雄市長(66)が引退の方針である一方、上田市政を支えてきた秋元克広副市長(58)が立候補の意向を固めた。市長選には、元総務省自治大学校研究部長の本間奈々氏(45)が自民党の推薦で立候補することが決まっており、民主党の今後の対応も注目される。【山下智恵、袴田貴行】

 秋元氏は、札幌駅前通地下歩行空間の開設など行政手腕に定評があり、地元経済界などからの待望論が以前から多かった。今年1月には、地元経済界の有志27人が秋元氏を市長選候補として推薦するよう求めて自民党札幌市支部連合会(札連)に要望書を提出。だが、札連は検討しないまま本間氏の推薦を決め、その後、札連会長の橋本聖子参院議員が混乱の責任を取って辞任した。

 札連の関係者や市幹部によると、経済に明るく地元経済界に太いパイプを持つ秋元氏は、自民党市議の間でも信頼が厚いという。だが、推薦に至らなかったのは「宿敵である上田市長直系の副市長を担ぐのはおかしいとの声が根強く、『反上田』を掲げる町村信孝・元官房長官が首を縦に振らなかったからだ」と、ある同党市議は解説する。

 それだけに秋元氏の周辺は今後、「上田色」の打ち消しを図るとみられ、退任する上田氏から後継指名は受けない方針だ。党勢回復に苦しむ民主党の色も極力出さず、経営者や学識経験者らの専門家を中心とした後援団体を設立し、「市民党」のような立場で幅広い支持を集める戦略を描くとみられる。

 一方、3期12年で引退する方針の上田氏は、札幌市の財政健全化などの施策に一定の見通しが付いたと判断したほか、多選による弊害も考慮した。上田氏はこれまで市民が市政に積極参加する「市民自治」を掲げてきた一方で、震災がれきの受け入れや「脱原発」を目指したエネルギー政策などを巡って高橋はるみ知事と度々対立してきた。

 民主党道連は、来春の知事選で高橋知事の対抗馬として上田氏の擁立を目指している。だが上田氏はこれまで、知事選への転身の意向を定例記者会見で問われても「それはない」と答えるなど終始消極的な姿勢で、民主党の要請には応じない公算が大きい。

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