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15 Apr 2014 14:39

ライフ【中高生のための国民の憲法講座】第40講 首相の靖国参拝と国家儀礼 百地章先生+(2/2ページ)(2014.4.5 10:30

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【中高生のための国民の憲法講座】
第40講 首相の靖国参拝と国家儀礼 百地章先生

2014.4.5 10:30 (2/2ページ)
首相の靖国参拝について考えてみましょう

首相の靖国参拝について考えてみましょう

 

政府の公式見解は合憲

 憲法解釈について最終的判断を行うのは最高裁判所です(憲法81条)。しかし、首相の靖国神社参拝について、最高裁が直接、合憲性を判断した判決はありません。政府見解としては、昭和60年8月に中曽根康弘内閣が示した「首相の靖国神社公式参拝は合憲」とする公式見解があります。その後、社会党の村山富市首相もこの見解を踏襲しました。

 有権解釈〔国の公式見解〕としては、この政府見解が存在するだけです。それ故、安倍首相がこれに従ったのは当然でしょう。憲法学者の間では違憲論が有力ですが、これは私的解釈であって、政府を拘束するものではありません。

 最高裁は政教分離解釈の基準として「目的効果基準」を示しています。つまりその「目的」が宗教的意義を有するかどうか、その「効果」が特定宗教に対する援助、助長ないし圧迫、干渉にならないかどうかという基準に照らして合憲性を判断するようにと述べています。この目的効果基準に照らして考えても、首相の靖国神社参拝は合憲とみるべきでしょう。

 というのは、参拝の目的は「戦没者の慰霊、遺族の慰藉(いしゃ)」という儀礼的なものであり、「効果」も最高裁がいう「援助、助長」に当たるとは考えられないからです。

 とはいえ、絶えず憲法論争が起きるのは好ましいことではありません。この際、国家儀礼としての首相らの参拝に疑義が生じないよう、一日も早く憲法を改正すべきです。

                  ◇

【プロフィル】百地章

 ももち・あきら 京都大学大学院法学研究科修士課程修了。愛媛大学教授を経て現在、日本大学法学部教授。国士舘大学大学院客員教授。専門は憲法学。法学博士。産経新聞「国民の憲法」起草委員。著書に『憲法の常識 常識の憲法』『憲法と日本の再生』『「人権擁護法」と言論の危機』『外国人参政権問題Q&A』など。67歳。

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『国民の憲法』

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