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13 Aug 2013 10:01
 

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TOSSランドNo: 2210353

「恥の文化」を脳科学で授業する


発問1:

那須与一宗高は、判官(源義経)から、「平家方の女房が差し上げた扇を射よ」と命じられた。与一宗高は、一度は断る。なぜか。

説明1:

その理由は「もしも外したなら源氏の恥となるから」と、源氏の名誉を第一に考えたからである。

発問2:

そして、「やらないのなら、鎌倉へ帰れ」という判官の言葉に、結局引き受ける。外せば、命にかかわることである。本人ももしも外したら切腹すると言っている。なぜ、鎌倉へ帰らずにそんな危険な役を引き受けたのか。

説明2:

それは、鎌倉へ帰ることは武士としての「恥」だからである。恥をかくということは、命を失うことよりも恐れていたことであった。
 鎌倉時代には、すでに日本人の「恥の文化」はでき上がっていた。

発問3:

江戸時代、日本人が初めて西洋の文化を学びにその地を訪れたとき、外国人は驚きました。なんという言葉を投げ掛けたと思いますか。

説明3:

着物を着て、刀を差し、堂々と歩き、礼儀正しい言動の日本人に驚いたのである。
「これほど洗練されていて、誇り高い民族を見たことがない。」「彼らは何よりも名誉を重んじる。」これが、私たち日本人の祖先が西洋人にかけられた言葉であった。

発問4:

心はどこにありますか。

 12名が脳。2名が体の中、5名が胸(心臓含む)という答えであった。
 ここでは答えを言わずに、次の発問に移った。

発問5:

楽しいと感じているときは、どんなときですか。

 心のありかを探るための補助発問である。
 生徒の答えのは次のようなものであった。

  ・友達と話しているとき。
  ・友達と遊んでいるとき。
  ・読書しているとき。
  ・友達といるとき。
  ・友達と遊んでいるとき。

発問6:

楽しいと感じているのはどこですか。

 15名が脳と答えた。他4名が体の中・胸等と答えている。
 生徒の答えのあと、次のように説明した。

説明4:

 楽しいと感じているのは、脳です。楽しいとか、悲しいとか、寂しいとかいう感情は、脳で認識しているのです。
 楽しいとか、悲しいというような感情を認識する力を「感情的知性」といいます。
 「知性」は8つあるといわれています(言語・絵画・空間・論理・音楽・身体運動・社会・感情)。人間として最も人間らしい「感情的知性」「社会的知性」そして、8つの知性を操作し統合する「自我」の三つを担っているのが、「前頭連合野」といわれているところです。
 つまり、普通「心」と言われているような働きをするのは、大脳であり、大脳の中の特に「前頭連合野」と言われている部分にあるのです。

発問7:

日本人の脳は、何歳まで成長すると思いますか。

 11名が「20歳」、4名が「18歳」、「22歳・17歳・死ぬまで・30歳」がそれぞれ1名であった。
 20歳は煙草や酒を飲んでいい年齢なので、そう答えたようだ。
 
 これ、答えは「25歳」である。
 答えを言ったあと、次のような説明をした。

説明5:

 日本人の脳は25歳まで成長すると言われています。
 しかし、これはとても珍しいことです。25歳まで成長するということは、25歳まで未熟であるということです。動物で25年間も未熟な臓器があるものは他にいません。

発問8:

なぜ25歳まで、成長するのだと思いますか。

 わざわざ25年間も未熟な状態にしておく理由を考えさせたかった。
 それにより、人間の社会の複雑さにまで言及させられればよいと考えた。
 何人かの生徒が、次のように答えた。

  ・覚えることが少なかったから
  ・ばかな状態で生まれてきたから
  ・良い脳を作るため
  ・長生きするため

 答えた生徒をほめ、次のように説明した。

説明6:

 これは、複雑な人間の社会の中で生き抜くための戦略なのです。
 私たち日本人は黄色人種です。黄色人種をモンゴロイドといいます。対して白色人種をコーカソイド、黒色人種をネグロイドといいます。
 モンゴロイドは、5万年前コーカソイドから枝分かれした人種です。アジアの寒い地域でも対応できるように、身体が変化しました。
 雪の反射による紫外線から身を守るため、皮膚は黄色化しました。また、体温を守るために身体が小さく、体重が重くなる体型となりました。顔の表面積を少なくするため、平面的な顔になり、凍りつきやすい体毛は少なくなったのです。
 寒さに対応するために、大型化したコーカソイドとは別の戦略をとったのがモンゴロイドなのです。
 モンゴロイドは、さらにもう一つ種を保存させるための戦略をとりました。
 ネオテニーという戦略です。これは、幼稚(未熟)な期間を長くとる戦略のことです。これは、教育する期間が長くなり、複雑な人間社会の中で生き残る可能性が高くなることを意味しています。
 だから、モンゴロイドはコーカソイドやネグロイドと比べると見た目も幼く見られます。これは、進化・ネオテニーの結果なのです。
 モンゴロイドの脳(特に自我など高度な機能を司る前頭連合野)は、25歳まで発達します。25年間もの長い間、教育することが可能なのがモンゴロイドなのです。

発問9:

25年間教育できるのが日本人の脳の特徴です。では、その間、しっかりとした教育を受けないとどうなると思いますか。

 生徒は「バカになる」「育たない」「赤ちゃんのまま」「発達しない。幼児期のまま」「脳が死ぬ」等と答えた。
 そこで、次のように説明した。

説明7:

 25年間教育できるということは、教育しなければ脳は未熟なままなのです。
 日本人などのモンゴロイドの脳は、それなりの教育を受けないと、発達障害という障害をもった脳になります。
 特に、前頭連合野は大きなダメージを受けます。
 「社会的知性」や「感情的知性」「自我」などを形成するのが前頭連合野ですから、人間的に大きな欠陥を持った人間になってしまう可能性があります。

発問10:

ネオテニーという戦略をとったモンゴロイドにとって、教育は大変重要な役割を持ちます。ではどのような教育環境が、モンゴロイドにぴったりすると思いますか。

 生徒は「金持ち」「ひもじい生活をしているとき」「人と話す」「夜遊び」「人のことを考える」等の答えが出た。

説明8:

 ネオテニー化したモンゴロイドにとって、親だけで教育するのは不可能です。コーカソイドに比べ未熟だけに自立心が低く、母子べったり型になりやすいからです。一番いいのは、両親、たくさんの兄弟、祖父母、親戚、身近な地域の人々に囲まれて、その人間関係の中で様々なことを学んでいくのが、モンゴロイドにとって最も有効な教育環境です。
 また、同じ一つの大部屋で生活し、さまざまな目で子供を教育する環境が、モンゴロイドの子育てといえます。
 よく考えてみると、落語などに出てくる江戸時代の長屋の生活が、最もモンゴロイドに適した進歩的な生活だったのです。
 日本人だけでありません。中国人だってモンゴルの人々だって、ネイティブアメリカンだってみんなそういう環境の中で生活しています。それは、モンゴロイドの特性を十分に生かした生活スタイルなのです。
 日本人は、そういう生活の中で、初めて「恥」という高度な概念の獲得に成功しました。恥と思うことは、とても高度な抽象的な概念なので、教育されなければ身に付くことはありません。大家族の生活の中で、集団を大事にしながら、身に付けた最高級の文化でした。
 日本人は、秩序ある生活を送るために、「恥の文化」で自己規制できるようになりました。これは、世界でも珍しいことです。同じモンゴロイドでも、「恥の文化」を持つ他の国家があるとは、聞いたことがありません。
 では、他の国家は何によって自分を規制するのだと思いますか。(この発問には答えを書かせず、問答で聞いた。1人の男子生徒が宗教と答えた。)その通りです。
 他の国家では宗教で規制してきたことを、日本人は「恥の文化」で自己規制してきたのです。
  
 現在、日本人から「恥の文化」は消えたかのような報道が行われます。
 少年の犯罪や、無様な成人式のようす、そして大人の狂乱。
 確かに、ネオテニー化したモンゴロイドにとって、教育の不十分さはそのまま脳の発達障害につながります。もともと未熟な脳なので十分な教育が不可欠なのは説明した通りです。
 人前で平気で携帯電話で話していたり、人前で化粧をしたり、パンツが見えても平気でいたりするような人が増えていますが、それは脳の発達障害が為せるモンゴロイド特有の状況なのです。
 そんな人は確かに増えていますが、しかし先生は日本にはまだ「恥の文化」が残っていると思います。成人式だって、立派に出席している人の方が、大多数でしょう。

発問11:

では日本人に残る「恥の文化」には、どんなものがあると思いますか。

 生徒は、「オリンピック」「法律」「服を着る」などと答えた。
 そこで、次のように説明して授業を終わりにした。

説明9:

 日本人が誇るべき高度な概念である「恥の文化」は、まだ日本に残っていると先生は思います。
 例えば、信号を守ることです。確かに信号を守るという法律はたくさんの国で採用していることでしょう。しかし、深夜、他に車のいない道路で、律義に赤信号で止まる国民を持つ国家は、そう多いとは言えないようです。多くの国では無視されているといいます。赤信号でありながら、黄信号のような感覚で止まらずに走り抜けていくのです。律義に止まる日本人を見て、外国の人はしばしば驚くそうです。これは信号を守らずに、法律違反をするのは恥であるという共通の認識が日本人に残っているからだと思います。
 また、阪神大震災の時にも日本人は世界の人々を驚かせました。
 まず一つは、多くの人のボランティアです。他の人のために、たくさんの人が無償の汗を流しました。また、義援金もたくさん集まりました。これも、困っている人を見捨てておくのは恥だという日本人の文化でしょう。
 さらに、あの惨状の中「火事場泥棒」の少なかったことも、おおくの外国人を驚かせました。日本人にしてみれば、みんなが困っている中泥棒をするなんて言うのはとても恥ずかしいことであり、軽べつすべき人間ということになると思いますが、他の国ではそれは常識とは言えないようです。これも「恥の文化」の存在を確信させるエピソードだと思います。
  
 日本人は昔のように大部屋で過ごすことや地域の人との自然な触れ合いは減少していますが、それを補うつきあい方だって開発してきています。子供会育成会やスポーツ少年団、そして中学校の部活などだってその知恵の一つだと思います。
 そのような社会の中で前頭連合野を鍛え、進化したモンゴロイドの究極の知恵「恥の文化」を大切にし、誇り高き日本人として外国人と渡り合ってくれることを強く願います。


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